「えっと…。
つ、付き合ってはないんだよ?
ただ、その…胸がね、ドキドキするの。
晶のこと、好きになっちゃったみたい…」
「ひゅ~~!やっぱりね!
ほら、遊園地に行かせてあげた私に感謝しなさい!」
それはもう…頭が上がりません。
確かに、晶と仲良くなれたのって千夏ちゃんのおかげなんだよなぁ。
「いつから?
いつから好きになったの?」
千夏ちゃんは興味津々と言った様子だ。
観念して、すべてを話すしかないかなぁ…これは。
「気付いたのは…夏休みだけど。
多分、もっと前から…?」
「夏休み?
何かあったの?」
「あ、えっとね。
晶の幼馴染みの香代先輩って人がいるんだけど、その人の別荘に泊まらせてもらったんだ」
「………あぁ、香代先輩ね。
そっか、あの人お金持ちだもんね。
確かに別荘持ってても不思議じゃないなぁ」
「え?」
……そういえば。
遊園地の時…晶は、幼馴染みを通して誘われたって言ってたっけ。
千夏ちゃんと香代先輩って…知り合いなの?
それに、ただただ知り合いってわけでもない…ような。
……………。
考えてもわかんないよね。
いいや。
千夏ちゃん、言いたいことは聞かなくても言うし。
言わないってことは、言いたくないってことだよね。
そんなところまで、わざわざ踏み込むようなことはしたくない。
聞かれたくないこともあるだろう。