「あ~ぁ。
ヒツジちゃんってば、本当に男の子嫌いなんだから」


「嫌いじゃなくても普通、あんな怖そうな人に会ったら腰抜かしません!?」


「……いや、腰は抜かさないかな。
まず藤崎 晶って人が学校にいることが最初からわかってれば、そこまで驚かないでしょ。
学校では知らない人がいないくらい有名人だし」


「私そんな人知りませんでした!」


「だからヒツジちゃんは男の子を遠ざけすぎなんだって。
そりゃあ小さい頃のトラウマは仕方ないけど…お話くらい、出来るようになった方がいいんじゃない?」


「う~~~。
わかってますよぅ。
わかってても怖いんです…」


「あはは、まぁ、ゆっくりとね」



これでも頑張ってお礼言ったんだもん。


私は頭を撫でられながら、頬を膨らませた。