「……………さっきは…すみませんでした」


「………?なんだよ、お前―――」


「―――何も言わないでください!こっちに来ないでください!こっち向かないでください!」


「は、はぁ?」



早口で捲し立てる私に、男の子は口を閉じる。


確実に私、引け腰になってる。


一歩でも私に近づいて来たら、ダッシュで逃げれる自信があるくらいだ。


………足の速い遅いは気にしない方向で。



「えと…プリント、拾ってくれてありがとうございました…。
そ、それだけですさようなら!!」



ついに怖さがピークになった私は、その場から逃げ出した。



家族以外の男の子と話したの、何年ぶりだろう。


小学生から今までだからなぁ。


それにしても不良と話すなんて、頑張ったよ私!