「でさ」

先生が笑顔でミラーをみながら沈黙を破った。

「なんで広瀬がいるわけ??」
「え~ェ??いちゃダメなんですかぁ??」

何故??

なぜか私は先生の後ろに座り、助手席には玲奈ちゃんが座っているではないか。

「もしかしたら先生の車かなぁ、と思って待ち伏せしちゃった☆」
「ダルいから送ってもらおうって魂胆だろ」
「あ。バレた~??」

先生に会いたかったからでしょ。

内心、ツッコむものの口に出せないのが悲しいかな私の性分。

「っていうか、夏波ちゃんだけ送ろうとするのってズルい~」
「結局、広瀬もちゃっかり乗ってんだからいいだろ??」
「~~~そういう意味じゃなくてさぁ」
「あ。クーラーつける??」

振り返った先生に私は

「ど、どっちでもいいですッ」

とキョドッた。

玲奈ちゃんだったら「うん、つけて~♪先生、優し~い」ぐらい言えるんだろうな……。

落ち込みながらも私はニヤけが止まらずに、鞄に突っ伏した。
先生が、私のことを気に掛けてくれた事が嬉しくて。


いつからだったんだろう??



こんなに先生が好きなのに気付かなかった。