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「せ、宣戦布告!?広瀬さんが??」

私達は久し振りに4人で集まってファーストフード店の一角でお食事中。
窓を濡らす雨で歪んだ景色を一瞬、睨むように見てから頷く。

「そ。どうしよう」
「いやいや」
「全然深刻そうに聞こえないんだけど……」
「私がこういうのリアクション薄いの知ってるでしょ?」

私は爪の上で光る透明のラメのマニュアを指でこすりながら、唯と遥乃の連携プレーに返す。

「広瀬さんってすっごく可愛い人だよね」

おっとりとした口調で痛いところを突いてきた藍架。
痛いよ……。

ポテトをつまみながら唯は「なんか、最初っから負けてるね」と呟いた。

「そんな不吉なこと言わないで―……あ」

私はケータイを開いて受信BOXを開く。
やっぱ着てる。

『英語の宿題忘れてるだろ(-_-#)』

「あ!!!!」
「どうしたの」
「英語の宿題出し忘れてた!!ごめん、先に帰るねッ!!」
「私、今持ってるし貸そうか??」
「マジで!?ありがとう、藍架!!」

私は藍架からプリントを受け取ると、呆気にとられる店員さんにぶつかりかけながら学校に向かって走り出した―……。