『物事の本質を見極められなければ一人前ではない』
どっかで聞いた言葉。
そうかもしれない。
でも
それに辿りつくまで迷ったり、遠回りしたりするのは
ありかな―……??
あれから季節は巡り、6月。
テストだったり、修学旅行の班を決めたり、と何気に忙しい。
「えー!?唯となれないのー!?」
「うん。なんか、午前にスキューバダイビングで、午後にサーフィンのグループとその午前と午後がひっくり返るやつと2パターンあって、私らちょうど別れちゃうんだよ」
「そんなぁ」
「夏波は午前にスキューバダイビングで私はその逆ってこと」
「唯がいないなんてつまんないッ」
「まぁ、遥乃とか藍架も一緒かもだし。ね??」
「うーん」
放課後の教室での出来事。
唯とプリントを眺めながら鈍い返事を返す私に唯は苦笑いだ。
* 修学旅行の特別学習について*
・午前 スキューバダイビング
午後 サーフィン
*担当:重束,北原
・午前 サーフィン
午後 スキューバダイビング
*担当:奥,井ノ口
「唯、奥が担当なの??うっわ、ご愁傷様~♪」
「嬉しそうに言わないでよ。夏波だって、重束先生はまぁよしとして、北原つきだよ??」
「うん。そこが一番の悩み。ねぇ、奥か北原だったらどっちがいい?」
「あー…、微妙かも」
「だよね。どっちも口うるさいし―……あ」
机の上で震えたケータイに私は飛びつく。