Love,

「はい。一度やってみたかったので出席取らせてくださーい」

アイは、明るい…すぐに周りに溶け込んでいく先生だった。
始業式の後、第一声がコレだ。

「池村 友広ー」
「へーい」

さっき、先生に質問したバカ丸出しの男子が間延びした声で返事をする。

「石田 芽衣ー」
「はい」
「植田 竜ー」
「はい」

……とまぁ、こんな感じで出席は進み―……

「辻宮…なんて読むの?コレ」
「ナナミです」
「……ん。辻宮 夏波ー」
「はーい」

一瞬、アイ―もう、学校では癖になりそうだから『先生』って呼ぶけど―が私の方を何か引っかかったように見た後、出席簿にふりがなをふっている。

「出川 唯ー」
「はい」

唯の澄んだ声はよく通って、いつも羨ましいなって思う。
こういう時、カッコいいし。

「―……はい。以上で出席終わります。次、プリント配るから―……」

「ねぇ、夏波!!」
「うん??」
「もしかして先生と知り合い??」
「は!?…ま、さかー!!」

一瞬、ヒヤッとした心臓を落ち着けて唯に笑顔を向ける。