「今日からこのクラスの担任の重束 閒(ｼｹﾞﾂｶ ｱｲ)です｡よろしく」

ざわつき始める生徒にニコリと笑顔を向けた彼を唖然と私は見つめた。

今

何て??

「先生、男なのにアイって言うんですかー??」
「あぁ。門の中に月で閒」

バカ丸出しな感じの男子が元気よく尋ねる。
よくある光景。

だけど


だけど―……



「担任が、アイ―……!?」



小さく悲鳴のように呟いた私の声はクラスのざわめきに掻き消されて行った―……。



『運命』っていうのは自分が行動を起こさないと動き始めないと思う。

でも、もしこれが『運命』ならば


アイが、行動を起こしたのかな??



『運命』って、信じてもいいのかな―……??