不安になってきょろきょろと二人の姿を探していると、鞄の中でスマートフォンが震えていることに気がついた。

それは絢斗くんもで、わたしたちはスマートフォンを手にもって画面を開く。

メッセージは沙耶たちだった。


『敦瑠と二人とかちょっと気乗りしないんだけど、わたしたち別行動するよー』

『沙耶、なんだよその言いかた!』

『菜々花と梶本くんは、二人でイルミネーション見てね! やっぱりさ、特別じゃん? せっかくのクリスマス、二人で楽しむべき!』

『無視!?』

『じゃあねー 敦瑠うるさーい』

『は!?』

沙耶と敦瑠くんのメッセージを見つめて、わたしは瞬きを多くしていた。

これ、気を使ってくれたんだよね……。

「まったくあの二人……」

絢斗くんは顔をしかめていた。

だけどちらりとわたしに視線を向けて、腕を伸ばす。

そして、わたしの手を握った。

どきっとして絢斗くんを見つめると、彼はため息を吐いてから言葉を発した。

「……なんか、敦瑠たちがいていつもと違うから、恥ずかしいって嫌がられたくなくて、触れたりすんの我慢してた」

そう言った絢斗くんの手をわたしは握り返した。