そして公園の中へ入っていくと、結構人がいた。

カップルが多く、みんなそれぞれ和やかな雰囲気で歩いている。

腕を組んでいるカップルを見て、わたしは絢斗くんの手をちらりと見た。

手、繋ぎたいな……。

微妙に空いているその間が寂しい。

視線を足元に向けて、心の中で気持ちを整えたわたしは、再び顔を上げた。

広場の入り口にたどり着いて、中へ入ると樅の木やお星さま、ハートや雪の結晶のオブジェがネオンの光で飾られている。

「わあ、綺麗だね……!」

「ああ」

どきどきしながら隣を見上げたら、絢斗くんは綺麗な光たちからわたしに視線を向けた。

そしてお互い微笑む。

空気は冷たくても、温かな気持ちでいっぱいになった。

「ねえねえ、本当に綺麗だね……って、あれ!? 沙耶!?」

後ろを振り返りながら話しかけたのに、そこに沙耶の姿はない。

敦瑠くんもいない。

絢斗くんも困惑した表情になる。

「どこ行ったんだ?」

「わ、わからない、はぐれちゃったのかな……」

でも、はぐれるほどの人混みではない。