そばで一部始終を見ていたわたしは、なんだか自分までくすぐったい気持ちになってしまった。

そして、反対側の隣に立っている絢斗くんの腕あたりを見つめた。

無性に恋しくなってしまった。

絢斗くんに手を握られたのは、最初電車に乗っていたときだけで、それからは隣にいても手を繋ぐことはない。

そばにいて一緒にいるけれど、やっぱり物足りなさがあって、二人だったら遠慮なく手を握ったり、腕にしがみついてみたり、そういうことができたのかなって。

沙耶と敦瑠くんがいなければ、なんて思っているわけじゃない。

四人でたくさんお喋りして、こうしてクレープを食べたりするのは楽しい。

だけど、絢斗くんへのもどかしさでいっぱいなの――


お喋りをしていたら、すっかり日は沈んで暗くなった。

絢斗くんとわたしが前、後ろに敦瑠くんと沙耶が並んで歩きだし、通りへ出る。

木などに飾られたネオンの光が点灯していて綺麗だった。

「先にある公園の中央広場のイルミネーションがすげぇ綺麗なんだってさ」

敦瑠くんが弾んだ声で言って、沙耶とわたしはへええ、とネオンを眺めていた。