それから沙耶と化粧品を見たり、みんなで本屋さんに寄って漫画の話をした。

一通り駅ビル内のショップを見て外へ出ると、結構時間がたっていたみたいで、薄暗くなってきている。

冬なので日が沈むのは早い。

完全に暗くなってしまう前に、駅前のクレープ屋さんまで歩いて、クレープを買って四人で食べた。

「寒い中でアイスを食べるって冷たすぎるけど結構好き!」

沙耶は一人、アイスの入ったキャラメルのクレープを頼んでいた。

絢斗くんとわたしはチョコバナナで、敦瑠くんはいちごと生クリーム。

「うう、寒い」

「そりゃアイス食ったら寒くなるだろ」

食べ終えて震えている沙耶を、敦瑠くんは呆れたような顔で見ていた。

けどすぐ、敦瑠くんはほっとけないと言いたげな表情になっていく。

「手も超冷たいー」

「……ったく、バカだな」

そう言った敦瑠くんは、沙耶の手を両手で包むように握った。

沙耶は驚いた顔をして手元を見つめている

「うわ、マジ冷てぇし」

「ななな、なにすんのよっ」

「本当に冷たいのか触ってみただけ」

「……敦瑠、手温かいね」

「まあな」

笑った敦瑠くん。
沙耶の頬が少し赤くなっているのは気のせいだろうか。