とりあえず、電車に乗って定期内のショッピングビルがある駅に降りて、雑貨屋さんなどを見てまわった。

そして、日常で使えるものがいいかなと思い、手袋とマフラーを見つけた。

「絢斗くん、マフラーしてるんだよねえ」

「ああ、紺色のやつ?」

「うん。だから手袋かな……」

わたしが手に取ったのは、絢斗くんがしているマフラーと同じ色の紺色の手袋。

「いいじゃん。しっかりしてて、シンプルだから毎年使えそう」

「でも、絢斗くん手袋とかするかな?」

「貰えば嬉しくて毎日つけちゃうよ」

そう言って沙耶は微笑んだ。

わたしは頬が緩むのを隠すようにうつむく。

そして手袋をレジへ持っていった。

プレゼント用の包装をしてもらい、クリスマスのプレゼントだと一目でわかるものになった。

それを見たわたしはどきどきして、早く絢斗くんに渡したいなって思った――


25日は晴れた。冷たい空気の中にほんのりと暖かい日差し。

午後、白のニットとワインレッドのスカート、それからベージュのコートを着て茶色のブーツを履き、家を出た。

鞄の中には絢斗くんへのプレゼントが入っている。