「菜々花と梶本くん見てるとさ、わたしも彼氏欲しいなって思うんだよねえ」

「ははは、無理無理」

「うるさいな、決めつけないでよっ。敦瑠のほうが彼女なんて一生できないから!」

「はあ? 俺はな、沙耶が知らないだけで結構……」

「モテてないから」

沙耶は鼻で笑った。

そうかな。敦瑠くん、結構女子から人気あると思うけど。

言い返すことができないらしい敦瑠くんがこちらに顔を向けた。

「……いいよなー、絢斗と菜々花ちゃんはクリスマスどっか行くんだろ?」

「ああ。イルミネーション見に行く」

「おお! 超いいじゃん! ったく、お前、コノヤロー」

答えた絢斗くんの腕を敦瑠くんはにやにやしながら軽く殴っていた。

絢斗くんの頬が緩んでいるので、なんだかわたしまで照れる。

「マジ羨ましい。俺らにこの二人は眩しいな」

「本当。わたし寒すぎる冬なんだけどー」

わざとらしく口を尖らせてこちらを見てくる沙耶と敦瑠くん。

からかうような感じに、わたしは恥ずかしくなってしまった。

話をそらしたいなと思うけど話題が浮かばず、それからも二人のからかうような言葉に恥ずかしさが増していく。