そうしたらちょうど、絢斗くんがメニューを閉じて顔を上げた。

「決まった?」

「う、うん。パスタ」

「俺もそれ」

絢斗くんは口許を緩めた。

店員さんを呼んで、ハンバーグのライスセットを二つと、和風パスタにサラダのセットを二つ、それからドリンクバーを四つ頼んだ。

「本当さー、絢斗と菜々花ちゃん、戻ってよかったよなあ」

それぞれ飲み物を運んできて席に座ると、敦瑠くんが笑みを浮かべながら言った。

敦瑠くんにもあの時は心配かけてしまった。

わたしは控えめに笑ってうなずく。

「絢斗は別れてる間なんか不機嫌だったし」

薄笑いを浮かべる敦瑠くんに横目で見られた絢斗くんは困ったような顔になった。

「沙耶と敦瑠くんにはご心配をおかけしました……」

申し訳ないという声で言ったわたしに、二人とも大きくうなずいた。

「でも今はとっても順調だよね」

「うん……」

沙耶にからかうような瞳を向けられて、わたしは恥ずかしくなって一度視線をそらした。