妙な間を作ったわたしに絢斗くんが視線を向ける。

はっとしたわたしは、急いで首を縦に振った。

「うん、うん、あいてる!」

「じゃあ、出かけよう。ほら、クリスマスだし。24日はバイトだけど、25日は休みとったから」

そう言った絢斗くんは唇の端を上げた。

どきどきして、頬が熱くなってくる。

「わ、わたしもね、今日クリスマスのことを絢斗くんに話そうかなって思ってたの。バイトとかどうなのかなって。一緒に……過ごしたいなって思ってたから」

「そっか」

絢斗くんは優しく微笑んだ。

嬉しい。絢斗くんからクリスマスの話をしてもらえて。

わたしの口許が緩んでしまって、それを隠すようにうつむいた。

「絢斗くん、最近欲しいなって思ってるものない?」

そう聞いてから沙耶の言葉を思い出した。
さりげなく! って言われたのに、このタイミングじゃプレゼントのことだって思われちゃうかも!

わたしは焦った顔で絢斗くんと地面を交互に見ていると、彼はふっと笑った。

「ある、欲しいもの」

そう言った絢斗くんを、わたしは勢いよく顔を上げて見た。