「闇を纏いし暗黒の剣よ
その力を開放せよ!

ブラックホール・ソード!」

睦月は、魔力の低い人が使った場合
自らまでをも覆いつくし
この世から消えてしまうかもしれないという
封じられた魔法を使った

これは少し魔力が強いくらいでは
絶対に使ってはいけない魔法

勿論、魔力を格段にあげた咲希ですら
命の保証はできないのだ

「睦月そんなの早くしまって…」

「私は消えないわ!

消えるのはこの魔物たちだけよ!
力を魔物に解き放て!」

睦月は力の限り大きく剣を振りかぶった
そして剣の先から黒い光が現れ、
魔物の群れへと一直線に進んでいった

光が通った道には何もなくなり、
奥にいた数えきれないほどの魔物の群れは
一瞬にして全て消え去った



睦月は魔物が居なくなったのを見届けた後、
使い魔を全て戻し安心したかのように
その場に倒れた

そしてさっきの魔法の反動で浮いていた
石の下敷きとなってしまった