「お父様!
なんなのでしょうか?
なぜパーティーが行われているのですか?」
「睦月顔が怖いぞ
そんなしかめっ面なんかしていたら
民が誰も信用しないぞ
それでは始めよう!」
国王は睦月の問いかけに答えることは
なかった
睦月たちは1度座れと言われたので、
国王の隣に睦月
睦月の隣に優翔
優翔の隣に咲希が座った
3人が座ったのを見計らったかのように
睦月の母親、王女が出てきた
「皆様本日はお集まりいただき
ありがとうございます
これから国王より挨拶があります」
国王は立ち上がり前へ進んでいった
「本日皆様にお集まりいただいた理由は、
小鳥遊睦月と水無月優翔の婚約パーティー
ならびに如月咲希の巫女就任の儀式を
するからだ
水無月家当主と如月家当主は入りなさい」
睦月は何も聞かされていないと目で
訴えたが、気づいているのか
気づいていないのか全く反応しなかった
後から入ってきた優翔のお父さん
咲希のお母さんは用意されていた席へ
一礼をしたあと座った
まず先に婚約パーティーではなく
巫女の就任儀式をやることになり、
睦月と優翔は1度席を離れて用意された
部屋へと行った
部屋の中には王女が既に待っていた
「私も国王のやり方には賛同しかねるわ
私も何も聞かされていないわ
王女は始めるときにさっきの言葉を
言ってくれるだけでいいとだけ」
「もしかして咲希の儀式が終わったら…」
優翔はやらないと言ってくれると
信じているかのように王女に聞いた
「残念ながらそれは無理だね」
変わりに睦月が優翔の問いかけに答えた
「お父様は1度決めたらもうやるわ
諦めましょう」
睦月はいい終えると、咲希の儀式を見るために
再び謁見の間に戻っていった
そして睦月を追いかけるようにして
優翔も部屋を出ていった
「如月咲希を如月家第38代巫女と
認めることを今ここに誓う
如月家当主 如月美祢」
「ありがとうございます」
咲希は当主に一礼、国王に一礼、来賓にも
一礼をした
「美祢殿1つだけ私から提案をさせてほしい
当主の座を譲ってはどうだろうか?
勿論今すぐにとは言わないが」
「仰せのままに
如月咲希私の横へ来なさい」
咲希は当主の隣へと行った
「本日をもって私如月美祢は如月家当主の座を
我が娘如月咲希に譲ることにする」
「これから私は何をすれば
よろしいのでしょうか?」
「貴女は私の変わりにこれからは
国王のために精霊と協力しなさい
話は以上よ
貴女の友達が待っているのでしょう
儀式をこれにて終わりにする」
如月美祢は国王に一礼をして、去っていった
咲希も1度用意された部屋に案内された
「次に小鳥遊睦月と水無月優翔の
婚約パーティーを始める
2人は前に進みなさい」
国王の合図に合わせて睦月と優翔は、
一歩ずつ前に進んでいった
国王の前まで来ると睦月は、国王に片膝をついた
優翔も睦月と同じように、片膝をついて待機した
国王の隣にティアラと冠を持ってきた
王女も立った
「水無月優翔
顔をあげなさい」
優翔は王女の声に反応するように、
小さく声を出し顔をあげた
「汝水無月優翔はこれから先も
小鳥遊睦月と共にこの国を守ることを
誓うか?」
「誓います!」
優翔の誠意のこもった声に安心した王女は
優翔の頭上に小さめに作られた冠を
乗せた
優翔は再び元のように顔を下に下げた
状態に戻った
「小鳥遊睦月
顔をあげなさい」
睦月は国王の方に顔をあげた
「汝小鳥遊睦月は水無月優翔と協力し
この国の更なる発展を誓うか?」
「誓います」
国王は睦月の頭にティアラを乗せ
1度睦月を立たせてマントを着けた
睦月は国王に一礼したあとにパーティーに
参加している来賓にも、深々と一礼した
「小鳥遊睦月、水無月優翔私たちの前に」
国王の言う通りに睦月と優翔は国王の前に
片膝をついた
「私は小鳥遊睦月がサクリトスを
卒業したときに王位を譲ることにする
そして王位を継承すると同時に
2人が夫婦となるものとする」
国王に反応するかのように来賓の人々が
盛大に手を叩き同意すると同時に、
若い2人を祝福した
突然行われたパーティーだったにもかかわらず、
何も問題が起きずに全ての行程を
終わらせることが出来た
咲希たちは明日から再び学校が始まるので、
1度家に戻り制服を取りに戻った
2人が戻ってくるまでに睦月は
堅苦しいドレスを着替えることにした
睦月はドレスをしまいかわりに淡い青色の
ワンピースを出して着替えた
そしてティアラも衣装室にしまった
睦月は咲希達が戻ってくるまでに国王の
ところへ向かった
「父上
1つだけ私からお願いがあります
もう1度、部隊への参加を認めてください
私はもっと強くなりたいんです!」
睦月の父は悩みに悩んだ末に、
部隊へ戻ることを3人でならと許可した
「お前がそこまで言うのに駄目と私が
言うことは出来ないだろう
ただし1人で無茶をした場合即刻
部隊は辞めてもらう
再び隊長として戻るのも隊員として
戻るのも好きとする
話は以上だ」
「ありがとうございます!
このことを優翔たちにも伝えてきます
失礼しました」
睦月は足早に国王の元を去っていった
ちょうど国王の元を去るときに優翔たちが
戻ってきた
睦月は国王から、
部隊に戻る許可をもらったことを
2人に話した
勿論2人はとても喜び、優翔に至っては
さっそく訓練場に行こうと言っている
3人でさっそく部隊の扉を開けた
現隊長には頭に情報を入れられていたらしく、
戸惑いもなく待っていましたと言ってきた
他の隊員も最初は戸惑っていたがら
3人が戻ってきてくれたと理解すると
大きな拍手で出迎えた
「勿論隊長や副隊長として
部隊に戻ってきてくれたのですよね?」
当然隊長として戻ってきたと言うと
思っていたのに睦月の答えは意外なものだった
「隊長は貴方がやるべきです
私はまた部隊を辞める日が来てしまう
これは嫌でも逆らえないから
私が再び隊長になり咲希たちが副隊長に
なったとしても、それは少しの間だけ
だから隊長にはなれないし
咲希たちを副隊長にさせる気も無いの」
「しかし…
部隊をまとめられるのは睦月様しか…」
いつまでも睦月に隊長に戻ってほしい、と
言っている現隊長に怒りを覚えた睦月は
「いい加減にしなさい!
いつまでもそうやって逃げるから
まとめられていないんじゃないの?
自覚しなさい!
隊長は貴方だけしかいない!
こっちに来て私と戦いなさい
迷ってる暇なんて無いのよ!」
現隊長の迷いを止めさせるために、
当然、睦月は戦いを申し込んだ
いくら迷っているとはいえ、勿論現隊長は
王族護衛部隊の隊長を任されているのだから
それ相応に強い
「本気でやりましょう
手加減したら死ぬわよ!」
「わかりました
ではこちらからいかせてもらいます!
全てを焼き付くす業火の炎
ファイア・トルネード!」
先制攻撃でくり出された攻撃は
睦月には全く効かなかった
睦月は手で払い除けるかのように、
無詠唱で攻撃を消し去った
「闇を制御する暗黒の矢
ブラックホール・アロー・ベイビー」
睦月は1度自分が死にかけた魔法に近いものの
極小バージョンの魔法を唱えた
これは相手の影に対して攻撃するものだ
「うっ動けない…」
既に影縫いをされているため、
現隊長は1歩も動くことが出来なかった
しかしそれでも諦めずにシールドを張りつつ
睦月に攻撃を続けた
勿論こんな状態でまともに攻撃が
当たるわけもなく、全て交わされてしまった
「だいぶ迷いが無くなったみたいね
もう貴方は大丈夫
私は可能な限り貴方をサポートするわ!」
睦月はそう言って影縫いを解除した
影縫いを解除された現隊長は
その場に座り込んでしまった
睦月が唱えた魔法は、一見ただ影縫いをされた
だけのように見えるがこの魔法には、
小さなブラックホールが弓についているので
影を伝わってどんどん魔力が吸いとられていく
「手を出して」
睦月の言葉に従うように、隊長は手を出した
睦月は自分の魔力を少しずつ解放して
隊長の手に送り入れていった
ある程度まで魔力が回復すると
隊長は立ち上がった
「睦月様の強さが改めてわかりました
しかし睦月様が私なんかに隊長という
役職を与え続けてくれるというのは
たいへん名誉なことです
俺も精一杯頑張るのでこれからも
こんな俺たちをよろしくお願いします!」
「やっと目が変わってきたね
私が部隊長だったころの貴方の目を
取り戻して欲しかった
なぜ貴方はその自信を失ってしまったって
ずっと思っていたけどもう大丈夫ね
でも私たち3人は貴方だけに危険が
及ばないようにサポートするから
安心しなさい!」
隊長はもう迷いなど一切無い
澄みきった目をしていた
そして数人を残し各自練習に戻るように
伝えた
残った数人は、全員睦月たちがいなくなってから
入った新入りたちだ
隊長はこの新入りたちにそれぞれの才能を
開花させようとしているのだが、
どうしても恐怖が先に出てしまい
才能が開花されないということを伝えた
睦月たちは喜んで才能の開花を手伝うと言った