出た─────!!

オトナ彼女、出た─────!!

可愛い顔で『嘘だお☆テヘペロ』してっケド、コレ、完全に大人の女の策略だ─────!!


(そりゃ俺、嘘がヘタって言われるワケだわ)


アオはヘナヘナと崩れ落ち、膝とザイルその他を一緒くたに抱えてしゃがみこんだ。

やっぱコロコロ転がしてたのね。

嘘から始まって。

この、映画ならエンドロールが流れた直後のようなタイミングも。
マンションに帰ってから、彼女がみんなと行動を共にしなかったのも。

今この瞬間、この屋上で、二人キリになるための、孔明の罠だったのね。

もうお手上げ…

ん?
ちょっと待てよ?

そんな、彼女の自由のための、とっておきの嘘まで使って…


「なんで俺を、逃がさなきゃなンないの?」


膝を抱えて丸くなったまま顔だけを上げ、アオはシズクを見た。

すると彼女は瞬く間に決まり悪そうに頬を赤らめ、ワンピースの裾を小さな手で握ってモジモジと…

って、なんか地雷踏んだ?


「…
アオはデイジーの誘いを受けると思って…」


「うん。
そーなンだ?」


「…
でも、ソレじゃマズいから…
仲間は私が責任持って助けるからって説得して、アオにはもう抜けてもらおうと…」