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―『お父さん!』



闇の中

“私”の声だけが寒空に響く。





『優菜…………?』


うっすらと目を開いたその男性の瞳には

瞬く星々が美しく映っていた。






『ホシと仲良くな。』

そんなの、無理……



だって宙を仰げば今だって

緑のフェンスに手を掛けて

放心状態でこちらを見下ろす

彼の姿が見える。






『優菜。星は…………』





その言葉を紡ぎながら

彼は目を閉じた。


満点の星々に包まれた

冬の日だった…。




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