『当たった人はここ、魔法界で“人生の続き”を生きられます。

その間に心残りを解消してください。
期限は1年間。

1年を超えると魔法は溶け、あなたの記憶は魔法界から抹消されます。』





1年間…



この、生か死かわからない世界で

この場所で過ごさなければいけないの?




この、魔法界 で?


そんなの、嫌だ。








だって私は魔法なんて、信じてない。

魔法なんてあるわけないって

神様なんていないって


あの時、思い知ったから。









「あの、私、断ります。」


『拒否します。』


うわぁ…即答…。







「あの…私、魔法界で生きたいとか思っていないので、

来たがってる他の人に交換してあげてください。」



私がそういうと、メリはゆるりと首を振った。





『それは、無理です。

閻魔様の仰ったことは絶対ですので。』





そういって私の顔を覗き込んでくる。



私が諦めたようにため息をつくと


メリはにっこりとほほえんで




『と、いうことで。

あなたには明日から魔法科高校の1年生になってもらいます。』





そういって

私の頭に手を翳した。







きらきらとパウダーのようなものが舞い

桃のような香りが漂う。





疑問の言葉が喉に詰まったまま

私は沈むように眠りに落ちた。