ベッドの前の大きな姿見を覗く。


ミルク珈琲色の肩までの髪も

前髪に付きやすい外ハネの寝癖も


ダークブラウンの瞳も

それを縁取る二重まぶたも




なにもかもが“いつも通り”の私の顔。



手を出して開いたり閉じたりしてみても


布団を剥いで足をばたつかせてみても





いつも通り。





むしろ、今までと変わったところなんて

どこにも、見つけられない。


だから、きっと…………











そんな風にしてじっと鏡を見つめる私を見て、

メリはふふっと笑うと




『普通ならエンマ様のところに行って天国か地獄かのジャッジをしてもらうのですが……

なんと、あなたは当選されたのです!』






そういいながら、メリはにこやかに4つ折りにされた紙をポケットから取り出した。





そこにはよくあるあみだくじが書いてあって


たくさん並べられた名前の中

『芹沢優菜』

その見覚えのありすぎる名前に
赤い丸がついていた。







………って、決め方適当だなぁ。

私、こんな紙切れに自分の人生任せたくなんかないよ。