「日菜子ちゃんは何しに来たの?」
「えっ、あ……わたしは……その……」
「橘くんに会いに来た」なんて……….ちょっと言いにくいな………。
なんて答えよう。
「えーっと、静かなところでお昼を過ごしたかったっていうか……」
苦し紛れの言い訳がバレてしまうんじゃないかと思うとなかなか動揺が隠せない。
真っ直ぐ百合ちゃんを見れずに目が泳いでしまう。
「えっと」や「あの」を繰り返してなんとか時間を稼いでも答えは1つも浮かばないまま。
「嘘つくの下手ね。旭陽に会いに来たんでしょ?」
心臓がドキンと跳ね上がるのを感じた。
「ひぇっ!」
塗り重ねた言い訳も百合ちゃんにはお見通しだった。
「日菜子ちゃんってホントわかりやすい」とわたしを見てクスクスと笑っている。
うっわぁ………恥ずかしいな、これ。