大和先輩が素敵過ぎるのに比べて、私は全てにおいて平凡過ぎる。

顔はブサイクではないと思うけど、みんなが振り返るほど、綺麗でもかわいくもない。
背も158㎝と普通だし、体重も人には言えないけど、身長からすると標準になる。
スタイルも、ウエストは一応くびれがある程度だし、胸だってギリギリCカップ。

成績は…頑張って30位以内には入っている。得意は英語で、苦手は理数科。
運動も、バスケをやっていたからか体力はあるらしく、長距離は早い方だが、スポーツテストの総合評価は"C"。
家庭科は、料理をするのは好きだけど、裁縫は苦手。一応、ボタンつけくらいは出来る…はず。
音楽は、歌うのは好き。
小学校の高学年から中学校と、歌声がキレイだと言う理由で特設合唱部に入れられた。
楽器は友達に教えてもらい、ピアノとギターは弾ける。下手だけど。
イラストを書くのは好き。授業中、たまにノートの隅に書いている。

性格は明るい方で、クラスでも、仲のいい友達はたくさんいる。男子とも、普通に話せる。

うん。
こうして並べてみると、本当に私って普通の女の子だな。
私なんかが、大和先輩の彼女でいいんだろうか?
やっぱり離れたら、すごく綺麗で魅力的な女性の元に行ってしまわないだろうか?
そんな想いが消えない。

それでも、その不安を消すように、私はスニーカーを履くと
「行って来ます」と、家を出た。