「ちょっと違うと感じたのは、やっぱり久しぶりに会ったからだよ。
だって…。今までは、ほぼ毎日、学校で会っていたんだから」
「……………」
「…それに、大和先輩だって大学生になったんだから、雰囲気だって大人っぽくなったろうし。
たぶん、ほんのちょっとの変化に、智美が戸惑っているだけだよ」

くるみに続いて美里も、
「くるみちゃんの言う通りだよ。
そこで智美がヘンに意識しちゃったら大和先輩まで意識してしまうよ。
だから、今までと一緒でいいと思うよ」
そう言ってくれる。

里菜ちゃん、しおりちゃん、真希ちゃんも頷いてくれて、少しだけ安心した私がいる。
それでも、不安は完全に消えなかった。



☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

その日の放課後から、バスケ部の当番が始まる。
私とくるみが着替えて体育館に行くと、さっそく1年生がタイマーやジャグの準備を始めていてくれた。

今週は、私が片付け·くるみがジャグ·エリカちゃんが準備の当番になっている。

くるみは急いでジャグ当番のところに行き、ボトルにドリンクを入れ始めた。

片付け係の私は、くるみのそばで練習が始まるまで待機していた。

エリカちゃんが来たのは1番最後。
もちろん、タイマーや救急箱などの準備は、全て終わっている。

高橋くんがエリカちゃんに文句を言いたそうだったが、その前にキャプテンが、
「1年生部員は、あくまで手伝いだから。
マネージャーがメインで動いて」と、優しく注意していた。