「もちろん俺だけじゃなく、1年男子が交代で手伝いますので、何でも言ってくださいね。
あっ!森野先輩には、ちゃんと断ってあります。
森野先輩も、"それがいい"と賛成してくれました。あとで1年生の係の当番表を作りたいので、智美先輩、手伝ってもらえませんか?」

高橋くんは一気に言う。
私はくるみと顔を合わせて頷くと、
「分かった」と言った。

「じゃあ俺は、練習に戻ります」
「あっ、うん。
高橋くん、ありがとね」

高橋くんがみんなの方に走って行く姿を見ながら、私はボトルにドリンクを注ぎ始めた。
そして気付く。
「あっ!
高橋くんにボトル渡すの忘れた」

くるみが私の手元を見ながら、
「私が代わるから、ボトル渡して来てあげな。
杉田も一緒にいるから、ついでに杉田の分も…」
そう言って、ボトルを2本、私に渡した。

私はそれを受け取ると、
「ありがとう。
じゃあ、あとヨロシク」
そう言ってボトルを持ち、高橋くんと杉田がシュート練習しているところに近づいた。

「杉田!高橋くん!
ボトル、ここに置いておくね」
2人に声をかけると、
「あぁ、サンキュ!」と杉田。
「ありがとうございます」と高橋くん。
それぞれから返事が来てちょっと嬉しかった。

マネージャーの仕事は、わりとたくさんある。
私とくるみが入るまでは、やはり1年生が交代でやっていたらしい。