2時間目は英語だけど、担任が英語の担当と言うことで、引き続きHRになり委員会を決めることになった。

まずは、クラス委員を決める。
男子はすぐに杉田に決まった。
対して女子は、なかなか決まらない。
杉田と一緒に委員をやりたい子が、お互いに牽制しあっているから。

そんな様子を見ていた杉田が、突然手を挙げた。
そんな彼にみんなが注目する中、彼は先生にこう言った。

「先生。女子の委員、なかなか決まらないみたいなので、僕が推薦してもいいですか?
佐伯さんにお願いしたいんですが」

杉田の発言に、クラスがザワザワとする中、
「佐伯さん、ね。
成績もいいし、真面目だし、私はいいと思うよ。
それに、杉田くんも話しやすい人がいいだろうし…。佐伯さん、どう?
やってもらえる?」

先生にそう聞かれたら、
不本意ながらも、
「はい、分かりました」
と答えるしかない。

「じゃあ、このクラスの委員は、杉田くんと佐伯さんにお願いします」

先生の言葉に、みんなが拍手をしてくれる中、私は杉田を睨んだ。
杉田はそれをスルーして
「佐伯、ヨロシクな」と声をかけてくる。
数人の女子から、羨望の眼差しが向けられる。

だから、前の席に座る美里が、
「響くん、やっと動き出したか…」
と呟いていることに、私は全然気付かなかった。

もし気付いたとしても、その意味は不明なままだけど…