それだけではない。クラスで先頭から数えた方が早かったほど小さかった背丈も、中学でバレー部に入ったことにより急に身長が伸び、今は170cm近い高身長になった。
『スタイル抜群』『文武両道』『明るくて可愛い』などと、クラスの皆から言われている。
『もし小学校の私を知ったら、皆離れていっちゃうしーー』と、みちるは心の中で怯えていた。
中学を卒業し、高校に入学するまでの間、みちるはオシャレで美人になった姉にあれこれを聞いて勉強していた。その努力の結果、今の地位を確立していった。
「ねえねえみちるー、今日もカラオケ行かない?」「みちるが行くなら私も行く!」「じゃあ、私も!」と、みちるはクラスのリーダー的存在ーー、『いなくてはならない存在』にまでなっていた。
「皆がいいなら、ぜひ行きたいな!」
「よし決まり!じゃあ放課後!」

ーー放課後、カラオケを楽しんでいたみちるに、母親からメールが入った。
『ハッピーの散歩の時間よ?もう学校終わったんでしょ?行ってあげなさい』
「・・・」
「ん?みっちーどしたの?歌わないの?」
「え、あぁ・・・ごめん、親にちょっと頼まれごとされちゃって・・・先帰るね!ほんとごめん!」
「みちるの家、うちらより遠いもんね・・・気をつけてね!」
「うん、ありがと!また明日ね〜!」