6年後ーー、

「遅刻する〜・・・!お母さん!行ってきまーす!」
みちるは高校1年生になっていた。受験したのは、みちるが住んでいる所の隣の県。といっても、電車で一時間もすれば着く距離なので、寮生活はせず、家から直接通っている。
わざわざ隣の県の高校を受験した理由、それはーー
『ーー顔見知りの人たちと同じ高校なんて、絶対に嫌だ』
小さい頃の自分の性格を知っている人達と同じ高校だと、今の彼女の性格はないだろう。彼女の性格とはーー
「皆ー!おっはよー!」
「お、みちるー」「おはよ!みっちー!」
みちるは、あのおとなしい性格から一変して、『とても明るく接しやすい』性格になっていた。
自信のない目を隠すための長い前髪はピンでサイドに止め、綺麗な黒髪は明るい茶髪に染めていた。