「ここまで幸せそうな顔でお亡くなりになったワンちゃんを、私は見たことがありません。きっとーー、なにかいい夢でも見て逝ったんでしょうね・・・」

もしあれが、ハッピーが見せてくれた幸せな夢ならーー

まだハッピーに伝えていないことがある。
届かなくてもいい。でもこれだけはーー

「あのね、ハッピー」
冷たくなった『家族・友人・相談相手』をなでながら、みちるは言った。
「もし生まれ変わったらーーその時はまた、私の相談相手になってよ。友達になってよ。家族に・・・なってよ。それまで私、ずっと待ってるからさ」
へへっと笑うと、みちるは涙をふいて、ハッピーに『少しのあいだお別れだね』と笑いかけた。