まぁいいや。


「ところで、そんな情報なんで先に言わなかったの?
私が聞かなかったら言ってなかったでしょ」

「だって、雛子にはもういるじゃん?」

「え?いるって…?」


「誰?」と聞こうとすると…


「ひーなこっ!」

「げっ」


走る足音と共に私を呼ぶ声。
振り返ろうとすると背中にズシッ、と重みを感じる。


「ちょっと…ナツメ!」

「へへっ、今日も相変わらず可愛いな」


軽くそう言うヤツは、川上ナツメ。
ナツメも早苗も一緒で小学校からの仲。

ナツメはチャラくてこの学校では有名で、髪色は茶色に染めている。