千鶴は僕の胸に顔を埋めたまま、しばらく黙っていた。

僕がそんな彼女の顔を覗き込もうとした時、彼女は顔を上げて、布団の中から僕の顔を見上げ、そして、ゆっくりと瞼を閉じた。

僕は右手を彼女の背中に回し、きつく抱き寄せながら顔を近づけた。

唇が合わさるのと同時に目を閉じた。

彼女の唇は柔らかくて温かかった。

繋いだままの手に力が入ってることがわかった。

掌は汗で少し湿っていた。

僕がもう一度彼女を強く抱きよせ、触れ合った足を絡ませようとすると、彼女も同じように太腿を僕の足に擦りつけ、そして、絡ませた。

彼女の息が荒くなり、一度息を吸い込んだ。

僕もそれと同じタイミングで息を吸い込んだ。

唇はずっと触れあったままだったけど、それが合図のようになって、僕たちは2度目のキスを始めた。

ふいに彼女の舌の先が唇に触れ、それから僕たちは舌を触れ合わせた。

お互いにその感覚を確かめる様に僕たちは舌を絡ませた。

やがて、触れ合い続ける唇は熱を持ちはじめ、濡れたキスを続けることで気持ちは高ぶり、さらに息が荒くなった。

体勢が自然と変わり、仰向けになった千鶴の上に僕が乗った。

唇が離れて、僕は目を開いた。

千鶴は瞼を閉じたまま、この展開に身を任せているようだった。

僕は上から彼女の顔を挟むように両肘をついて、彼女の顔を見つめた。

やがてゆっくりと千鶴は目を開いた。


「いいよ。私は……」


『千鶴……』


僕は千鶴の顔を見つめながら顔をゆっくりと近付けて、もう一度彼女の唇に唇を合わせた。