「駄目?やっぱりどこか行く方がいい?」


『ううん、そんなことないよ。ただ……本当にいいのかな?って』


「いいよ。でも駐車場とかないから電車で来て?駅までは迎えに行くから」


彼女は僕が心配しているようなことは、まるっきり頭の中にないみたいだった。

それは彼女が僕のことを僕とは逆に、一人の男であるという前に一人の友達だと思っている裏付けになった。

そう考えると辛かったが、僕は彼女の言うとおりにしてあげようと思った。


『うん、わかった。じゃ……明日、駅に着いたら電話するから』


「うん、待ってる。でも来たらビックリするよ?この家、本当にボロボロなんだから」




その夜、僕はほとんど眠れずに朝を迎えた。

ベッドに横になってからも、僕の胸の中は喜びのダンスを踊り続けていた。

やがて、窓から見える外の景色が青白く色を付け始め、それからすぐに朝の日差しが差し始めた。

僕の胸の中のダンスパーティは朝まで続いた。