「あの‥先生、私も学級委員長やります。」
この一言は、いろいろと頭の中で考えた末、私が舞桜の為に出した答え。
自分の学級委員長をやりたくないって気持ちよりも、舞桜に意地悪を言ってしまった罪悪感の方が、私の中では大きかったから‥。
「おっ、今年は決まるのが早かったな。
じゃ男子は松下、女子は野々村で学級委員長は決まりだ。
二人ともよろしく頼んだぞ。」
そんな長瀬先生の言葉の後、静まり返っていた教室が、少しだけ騒がしくなった。
私は、そんなクラスの様子を見て、松下君のファンの多さを実感した。
きっと、私と同じようなことを他のみんなも考えていたのだろう。
転校生だから‥それだけの理由なら、時間が経てば減っていくはず。
でももし、みんながみんな本気だったら‥そんなことを考えると、私は不安でたまらなかった。