北苑は、不気味に笑って私のバッドを奪い取り、その場に捨てた。
「……お前、意外とやるな。次は俺が相手してやるよ」
「へぇ、あんた強いの?」
「お手並み拝見ってな」
その挑戦的な目は、好き。
でも問題は実力だ。
結構強くないと、私を殴ることは出来ないよ?
今まで喧嘩してきて、殴られたことなんて一回もないんだから。
「…わかっ……」
勝負を受け入れようとすると、私と北苑の間に誰かが立った。
青くて、綺麗な髪。
「……南蓮央?」
「北苑、お前の相手は俺だろ」
南蓮央の背中が邪魔で、北苑の顔は見えなかったけれど……きっと、彼は笑った。