「なんだ、バレてたのかよ。相変わらずキレるんだな、総長さんは」



小馬鹿にしたような北苑の目が、私に移る。



「それがお前らの『姫』か……?へぇ、確かに美人だな。俺の好みだ」



舐め回すような視線から私を庇うように、南蓮央が睨み返す。



「お前らなんかにはやらねぇ」


「……んじゃあ、奪うまでだ」



ニヤリと笑った北苑の言葉を合図に、バイクから降りた【龍嵐】が殴りかかってくる。



それを確認した南蓮央も、反撃に出た。



「圭太」


「おぅ!」



圭太が左手を前に突き出すと、待っていましたとばかりに【睡蓮】が駆け出す。


殴り合う音、飛び散る血しぶき。


大規模な喧嘩に、腕が疼く。



「南蓮央、私もやりたい!!」


「言うと思ってた。やりすぎて病院送りにはするなよ?」



病院送りは無しか……


つまんないけど、まぁやってやる!!


バイクから飛び降り、男たちの中に駆け込んだ。