__ブルルルル……



しばらくすると、道路の向こう側からエンジン音が聞こえてきた。



「……来たな」



低く呟いた南蓮央の声と同時に、騒がしいエンジン音が止まった。



「どういうことだ、南」



冷気を帯びたかのような冷たく鋭い声にビクッとして、視線を向ける。


白く染めた長髪に、とても整った顔立ち。


南蓮央や【睡蓮】幹部に負けず劣らずのイケメンだ。


もしかしてこいつが……総長?



「自滅しに行くことはないと思ってな。どうせ、倉庫には凶器を持ったヤクザどもがうじゃうじゃしてるんだろ?
北苑がやりそうなことだ」



睨みつけてくる北苑という男にビビることなく、南蓮央は返す。


ってか、凶器を持ったヤクザって・・・


それ、行ったら殺されてた…………。