夜の8時半を回り、皆が倉庫から出て行く。
真浩が寝ている歩を起こしている間に、南蓮央が圭太を呼んだ。
「そろそろ行くか。圭太、バイクのキーを持ってきてくれ」
「あぁ、ここにある」
圭太は5つのキーを指にかけて見せた。
よし、と頷くと、南蓮央はみんなを連れて倉庫から出る。
外では、チームの皆がバイクに乗って準備を終えていた。
私も南蓮央の後ろに乗り、そっと手を回す。
「おい、もっとちゃんと掴まれ。今日は飛ばすぞ」
「えっ……ちょ!」
両腕を掴まれてしっかりと回され、いつもよりずっと密着した状態になった。
「ちょっと……」
「じゃあ行くぞ!お前らしっかりついて来いよ!!」
「「うっす!!!!」」
文句を言う暇もなく、バイクが発進した。