「……はぁ…………負けたよ」



南蓮央が、ため息混じりにつぶやいた。



「分かった、連れていく。万引きさせるわけにはいかねぇし、俺の後ろに乗ることが条件だ」


「本当!?」


「あぁ。でも、あんまり無茶して目立つなよ……って、聞いてねぇな」



私は南蓮央の話も聞かず、素直に喜んだ。


だって、嬉しい!!


【桜蘭】の姫の時は、守られてばっかりで見れなかったからこれが初だ!!


早く9時にならないかな〜!!


こんなにわくわくしたのは、久しぶりだ。


楽しみすぎて、諒真さんの冗談にも笑って付き合っていた。