「ごめんねー!この部屋汚いでしょ?全然片付けてなくて………ちょっとだけ我慢して!」


ペロッと舌を出しておどける彼女は本当にあどけなくて可愛い。


「頑張ってるんだね~!偉い、偉い!!」


「よく分かんないけど、とにかく全力でやってるだけ!忙しくて、お店も中々開けられなくて…。本当は毎日、開けたいんだけど私一人だからさ。」


「そっか………。私、夕方からなら手伝えるよ?」


「えっ!本当!?あっでも、バイト代払えないし………。」

「要らないよ。これでも大手の企業に勤めてるのよ?旦那だって高給取りなんだから!」


「えっ!花枝ちゃんってセレブなの?マダムなの?」


「あはははっ!!マダムって何それ!!」


「だって、セレブって言ったらマダムでしょ?」


「何でそうなるのよ~あははははっ!!」


「花枝ちゃん笑いすぎ!!」


「ごめん、ごめん!!さぁ、食べよ!お腹すいてるでしょ?いっぱい食べて。」


「待ってましたぁー!いっただっきま~す!!」


チキンにかぶりつくミレイはまるで子供の様で見ていて飽きなかった。


「ポテトもあるよ?」


「食べる、食べる!!」


出会った頃とはすっかり雰囲気が違うミレイを見てると本当に心を許してくれているんだと嬉しくなった。


「子供がいたらこんななのかなぁ………。」


「子供って………私が子供だったらでかすぎるでしょ?」