あちらの都合で約束の日は約一ヶ月後となった。
その日から千春さんは毎日の様に仕事を終えると黒木先生の所に寄って、治療を受けてから帰るようになった。
私も付き添いを願い出たが、千春さんに断られた。
きっと治療中の姿を見られたくないのだろう。
男のプライド?多分、そんなとこ。
今更恥ずかしがんなくてもいーのに。
少し弱ってる千春さんも不謹慎にも可愛いと思ってしまう今日この頃だ。
「今日は仕事で遅くなるんですね?………はい………、分かりました。夜は適当に食べます。…はい…待ってます…はーい。」
会社からの帰り道、千春さんからの電話で今晩は一人飯なのを伝えられた。
「あ~あ、今日は独りか………。」
夕食を何にするか考えているとネオンでチカチカ光る看板が見えた。
「あっ!そうだ!」
私は急いでケ⚪タッキーに駆け込んだ。
お店で手当たり次第美味しそうなものを選んでたので、結構な大きさの紙袋になった。
「買いすぎたかな?………ま、いっか!あのこ結構大食いだから。…フフッ。」
以前ハンバーガーを嬉しそうにほうばっている彼女を思い出した。
「急がなくっちゃ!御飯食べる前に着かないと。」
私は足取り軽くミレイの店に向かった。
彼女の店は不思議だ。
店に一歩入っただけで、まるでおとぎの国にでも迷い混んだような気分にさせる。
私はそのわくわくとした雰囲気が大好きだった。
もちろん、ミレイも妹の様に可愛い。