「お義母さん…やっぱり何か知ってるんですね?」
「ちゃんと見ていなかった私が悪かったのよ。千春は何も覚えていないの………そうね…あなたには全て話さなくちゃね…。千春のお嫁さんだものね。」
「………はい。」
お義母さんは辛そうな表情を浮かべて無理に微笑んでるようだった。
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インターホンが急な来客を知らせる。
モニターを映すと黒木先生が立っていた。
「今、開けます。」
カチャン
ドアを開けて黒木先生を出迎えた。
「お久し振りです花枝さん。急に来てしまってすいません。 」
「先生…丁度よかったです。今、千春さんのお母様が来ています。トラウマの原因を知っているそうです。」
「っ!!彼の母親に話したんですか?!」
「彼の母親なら現状を知る必要があると思います。隠していたって何も解決しません。」
「確かにそうですが、泉さんには口止めされていたので。良かったのですか?」
「私は泉 千春の妻です。彼の病気を治す義務があります。先生…一緒に聞いてください。」
「辛い話になるかも知れませんよ?」
「私、もう逃げないって決めたんです!!」
私は真剣な目で黒木先生に訴えた。
最初は迷っていた先生も、私の決意を聞いてからは気持ちが定まったようだ。
「分かりました。………救世主を信じましょう。」
黒木先生はにっこり笑うと私の目尻に溜まっていた涙を拭ってくれた。
「さぁ、行きましょう。」