お義母さんに入れるつもりの紅茶が私の前に出された。


「適当だけど…まぁ、飲めない事もないでしょ?」


「…はい。とても美味しいです。」


お義母さんはにっこり笑って私を見た。


「落ち着いたみたいね?そろそろ聞いてもいいかしら?」


何が良いのか悪いのか判断が着かないことに、私は躊躇っていた。


「実は私達、今、別居中なんです。」


「えっ?どうゆうこと?お正月過ぎくらいに1度千春が家に来たらしいけど、私達居なかったからずっと会ってないのよ。あの子は何も連絡してきてないし…一体何があったの?」


私は心の中で固く決心した。


「…お義母さん…。千春さんのトラウマの事、知ってますか?」


「えっ?………何を言っているの?」


「千春さんは今でもそのトラウマに苦しんでいます。」


「まさか………あの時の?!でも、とっくに克服してあなたと結婚したじゃない?」


「いいえ………病は治ってません。」


「そんな………なんて事………………。それじゃあ千春は………」


「また症状が出ているそうです。それで別居を………。私は一緒に居たかったんですけど………」


お義母さんは力なくソファーに腰掛けると暫く黙って考えたかと思うと少しずつ話し出した。


「…夫は知らない事なの………千春には本当に辛い思いをさせてしまったわ………。」


「お義母さん…やっぱり何か知ってるんですね?」


「ちゃんと見ていなかった私が悪かったのよ。千春は何も覚えていないの………そうね…あなたには全て話さなくちゃね…。千春のお嫁さんだものね。」


「………はい。」