「精神的ダメージを受けているあなたにこんな事を言うのは酷かも知れませんが新たな発見が出来て、泉さんにとってはいい傾向です。酔ってあなたを愛撫した時、彼の身体はあなたに反応したことは確かです。男性としての機能は備わっている事になります。それならば性交渉も可能です。」


「そう………ですか。」


性交渉が可能………と言うことは子供が作れると言うこと。

いつもの私なら飛び上がって喜ぶところだが私の心は沈むばかりだった。

何度も奮い起こして頑張ろうと試みるけど、やっぱり自分の思うように動いてはくれない。


「木暮 美緒さんの事………気になるんですか?」


「えっ?」


図星を突かれて過剰に反応してしまう。


「すいません。不確かな事を私が言った所為ですね。」


「いいえ。美緒さんも嘘をついたと認めてますし、誰も悪くないんです。それに美緒さんの苦しみも、今の私には痛いくらいよく分かるんです。………私が一番不安に思っている事はそんな事じゃなくてー」


「泉さんの気持ちが誰にあるかですか?」


「はい。………その通りです。………もし、千春さんが私じゃなくて美緒さんの事が本当は好きだと気づいてしまったら………そんな事を、あの日からずっと考えてしまって、正直怖くて聞きたくないんです。でも、私の性格上、いつまでも抱えたままだとしんどくて、はっきりさせたい衝動がぶつかって苦しいんです。………先生、私………どうしたらいいんでしょうか?」