パクっと食べると甘くてほろ苦いチョコが口いっぱいに広がった。
「美味しくて、元気でるでしょう?」
「はい……。」
「君が元気じゃないと私の仕事に差支えがあるからねぇ。」
部長はパチンとウィンクをして、一粒チョコを食べた。
いつものウィンクもこんな時は素敵に見える。
「部長!私、頑張りますから!」
「頼むよ~。」
私はより一層決意を新たにした。
「さて、今日のスケジュールは午前中からハードですよ!どんどんこなしてお昼の時間作ってくださいよ~!」
「ええ~!チョコあげたのに、花枝ちゃんの鬼ー!!」
部長とのいつものおふざけが、少し萎みかけた私の勇気を膨らましてくれた。
今日の夜は、もしかしたら辛い思いをするかも知れない。
でも、私はやるだけの事をしてやる!
私は何も納得してないし、私達はまだ始まったばかりなのだから。