「そして、見てしまったんでしょうね携帯の写真を…お兄さんは精神科医だ。きっと直ぐに自分の事を理解したんでしょうね」


「それで、兄は……?」


「えぇ、きっと自分のやった事の責任としていくら無意識とはいえ…。正義感が強い人ならなおさらですね。あのぐらつく本の束の上で人格が変わるまで立ち続けたんですね」


「確かに……。あの人はとても正義感が強い人です。大神さん。あの人は通り魔を殺してくれたんですよね?」


大神さんはいつものようにニコリとせず、


「えぇ。そうですよ。貴女の為に……」


と、言った。


「う、うぅ…」


桜さんは涙をこぼす。