あぁ、はやく部屋に戻りたい...

そう思っていると、

「出発は明日の朝だ。侍女は1人連れていけるぞ。でわ部屋に戻って準備をしなさい。」

と父が言ってきた。

私とカノンは「分かりました」と言って席を立ち部屋を出る。



「失礼しました」

パタン...

私はカノンの後に部屋をでて、静かにドアを閉め、部屋に戻ろうと足を進めた。


すると少し先の方を歩いていたカノンが振り返って


「言っとくけど、マリアーナ国のお姫様になるのは私が相応しいわ。貴方みたいな愛想のないドブネズミは貧しい小国の王子の所へ行くのがあってるわよ」

と言い、冷たい目を向けてきた。


そう、これが本当のカノン。
私をドブネズミと言う程の性悪女。


私は相手にするのも面倒なので何も言い返さなかった。

するとそれを別の意味で捉えたのか、

「なに?悔しくて何も言い返せないの?可哀想な子ね」


と言って笑っている。