「お父様、なんの話?」


カノンもドキドキしてるらしく、私が座ったと同時に父に質問しだした。


「まぁそう慌てるなカノン。実はだな、隣国であるマリアーナ国の王が、2人の内のどちらかを息子の嫁に欲しいと言ってくださった。」


「マリアーナ国ですって!?」

カノンが驚いて声を上げた。

驚くのも無理はないだろう。
マリアーナ国とは土地も凄く大きく、かなり発展している大国。

このグリーン国は自然豊かな土地で、食料だけはマリアーナ国よりあるものの、それ以外では天と地程の差だ。

なぜそんな国が...

「あぁ。なんでも、マリアーナ国にはないグリーン国の自然の豊かさに惹かれたらしく、私達と繋がりたいとの事だ。急だが、2人には明日マリアーナ国へ行ってもらう。そこで1ヶ月ほど過ごして、王子が気に入った方と結婚させて欲しいとの事だ。」


そう言ってカノンに微笑みかけた父は、

「きっとマリアーナ国の王子はカノンを選ぶだろうがな」

と言い、最後に目だけを私に向けて
「くれぐれも失礼の無いようにしろ」と
冷たく言った。


「やめてよお父様、ソロお姉さまが可哀想だわ」

口ではそう言うものの、妹は私の事なんて心配していない。私の事を嫌っているから。

表ではいい顔をして、2人きりになると私を奴隷扱い。


そんな妹の本性を知らない父は、


「カノンは優しいな」


と褒めていた。