そんな妹とは反対に、私へ対する父の扱いは酷いものだった。


なにをしても怒られる。褒められた事なんて一度もない。

カノンには沢山の使用人がついてるのにも関わらず、私は1人だけ。

物もあまり与えてはくれず、必要最低限のもの以外なし。

「王家の恥」なんて言われた事もあったっけ



その理由は

『王と血の繋がらない子』

だからだそう。


グリッド王と出会う前、私の母は街にでかけた時、蕎麦屋の男性に恋をした。

ダメだと分かっていても止まることのない恋心から、その男性に隠れて会いに行っていたみたい。

そんな2人はいつしかお付き合いまでに発展した。

幸せだった母。だけどそんな幸せ長くは続かなかった。

ある国の王子が母と結婚したいと申し出てきたのだ。そう、それが今の私の父であるグリッド王だ。

なんでも他国の王家との交流の場で母を見て一目惚れをしたとか。

グリッド王子は無理やり母と結婚した。

その後、母は蕎麦屋の男性に別れを告げる。

だけど、別れた後に妊娠が発覚したの。

激怒した父は生むことを強く反対したみたいだけど、母は好きだった男性との子を殺すなんてしたくなかった。

なんとか父の反対を押し切って子どもを生み、名前をソロと名付けた。

そう、それが私。

父は、自分と血の繋がらない私を嫌って、私を世間から隠した。

母はそれを嫌がったけど、父は聞く耳を持たないまま時は過ぎて、

2年後、グリッド王子と母の間に子どもが生まれた。

それがカノン。

母はせめてとカノンと私を双子の姉妹と言う設定で国民に伝えるようにグリッド王子に頭を下げ何度もお願いした。

母の強い押しに負け、父はこのまま隠すのも大変かとしぶしぶ母の願いを受け入れてくれた。



母が生きてる時は、私付きの使用人もたくさんいたし、物も沢山買ってもらえた。

父も優しくしてくれてたから、父と血の繋がらない事をまだ知らなかった私は幸せだった。


でも、私が6歳の時、母が病気で亡くなって、父の私に対する態度がかなり変わった。

その頃に私とカノンは、私と父が血の繋がらない子だと告げられたんだっけ。