「お待たせ~!!!」
(やっべ…かわいい…)
慣れない草履でトコトコ走ってくる羽実に、付き合って1年ながらもトキメキを隠せなかった。
「待ってないよ!オレも今きたとこ」
「ほんとっ?!ならよかった!
思ったより美容室混んでて 遅れちゃった」
浴衣姿が恥ずかしいのか、それを隠すようにいつもより口数の多い羽実。
(ホントは1時間くらい前にきたけど…
そんなことより ウミかわいすぎ !!!!!!
やっぱ夏は浴衣だな… かわいすぎ!!!!)
「えっと…えっと…」
頬を染めながら、羽実はたどたどしていた。
「はい!」
羽実に向って手を差し伸べると、羽実の頬は更に赤くなって今にも爆発しそうだった。
「トシくんの手…おおきくて あったかい…」
ギュッと握った手を見ながら幸せそうに羽実が呟いた。